Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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歩いてみよう -メルボルンとその周辺-  (59)

Mt Feathertop 

(Melway 522 G10)   5km

 M. ようこ

 雪国育ちなので雪山に行く気はないが、この前夏山に行く機会があった。
 Mt Feathertop は、Alpine Rd を挟んで Mt Hotham の反対側にあり、その近くの Mt. Bogong についで、高さはヴィクトリア州で2番目である(といってもたった1922m)。これまで、山にはひどい登り降りの長距離ばかりで、初心者向きのコースなどは無いと思っていたが、ちょうどいいハイキングコースがあったので紹介してみたい。

 Mt Feathertop は bushwalker なら一度は行くべき有名な所だそうで、山頂までの11km(最後の2kmは急な登り)を1日で往復する人、山頂付近でキャンプして翌日帰ってくる人、途中で引き返す人、といろいろいる。いずれの場合も Hotham village から3kmほど Bright 寄りの入り口が出発点である。Hotham のふもとともいえるこの辺りは Diamantia といわれ、三角屋根の避難所と20世紀中頃に、この辺りを通る人や動物を助けたノルウェイ人 Eric Johnson Gravbrot のケルンが建っている。駐車場はないので、車はこの辺の Hotham 寄りの道路に止める。ここから雪を頂いた Feathertop の頂上が見える。出発点の登山者ノートに記帳してから出発する。

 Feathertop への道は Razer Back Ridge と呼ばれ、もともと標高が高い上、その名のごとく尾根を歩くので眺めは抜群である。しかし、ほとんどの木々は斜面にへばりつくように生えているだけなので、雨にも風にも太陽にもさらされるので、短時間でもそれなりの準備が必要である。

 1kmほど行くと一つ目の小さな丘があり、少し先にもう少し高い二つ目の丘がある。一本道でしかたなく登ったにしろ、ここからの眺めはそれだけの価値がある。左には幾重もの山々が足元に連なり、右側にはスキーリフト、後ろには Mt Hotham が見える。しかし、大変なのは登りよりも下りで、Big Dip と呼ばれるこの丘の下まで降りるのは、気をつけないと滑る恐れがある。降りたところで右を見ると、細い道が見える。この道は最初の小さな丘の手前に続いており、丘の中腹を通っているので景色は良くないが、さほどの苦労をしなくても車に戻ることができる。


*この記事は2001年にユーカリに連載されたものをリピートしています。
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