Yukari Shuppan
歩いてみよう -メルボルンとその周辺- (27)
ウォーキング クラブ
Ｍ.
Yoko
今回は少し趣向を変えて、私の所属するウォーキングクラブについて書いてみたい。
去年の8月ウォーキングクラブの友人二人（５８才と５４才）が、各々の夫を残して３週間のエアーズロックの旅に出かけた。交代で運転し、安モーテルやキャラバンパークに泊まっての旅である。１０年オーストラリアに住んでいて、まだエアーズロックに行っていなくても心配する必要はない。彼女たちは二人ともオーストラリアで生まれ育っていても、今回が初めてだそうだ。その彼女たち曰く、「あの辺は歩いたり登ったりがあるから、多少は体力がないと何もできなくてつまらないよ。私はあまり年をとらないうちに、この次はアウトバックに行こうと思っているけど、あなたも来る？」。平均年齢８０才のクラブでは最年少に入る私だが、必ずしも一番健脚とは限らない。
昨年暮れ、タスマニアへ観光旅行に行く機会があったが、タスマニアは観光地というよりは行動する所、美しい自然を楽しむ所だと思う。
前日に地図と案内書を見ながら、「明日は何処どこにしよう、」と決めて出かけたのだが、滝一つ見るにも、＜何々滝まで往復４０分＞などとあり、帰りが思いやられるようなその道を下っていくと、次の滝や滝の上までの掲示があって、更に歩くことになる。有名な Cradle Mountain もただ美しい山を見るだけでなく、湖一周の遊歩道があるし、何日もかかる山越えの道もある。北西の町 Stanley にある The Nut も頂上まではチェアーリフトで上がっても、丘を一周する道を歩かなくてはつまらない。鍾乳洞の中にだって階段がたくさんある。かなりきつかったのが、東海岸の Freycinet National Park で、山の中腹にある展望台までずっと登り道だったが、眺めはそれだけの価値があった。
この次はアウトバックではなく、涼しいタスマニアへウォーキングツアーに行ってみたいものである。
歩いていると車では見えなかった美しさが見えてくる。新鮮な空気が吸える。クラブに入れば、嫌がる家族を連れ出さなくても一人でも参加できる。安上がりである。知らなかった所へ行ける。スポーツから葬式まで、いろいろな情報が得られる。３、４時間歩きながら意見を戦わせ、好きなことを言い合うので精神衛生上にもいいし、英語も上達する。そう長くは本音を隠しきれないので、本当の友だちができる。蛇足だが、うちのクラブで４組が結婚し、最近婚約した者もいる。痩せはしないが健康になれば、こんな大きなおまけはない。８０才を過ぎた人もたくさん参加している。
これからでも歩いてみたい、と思う人は下記へ問い合わせると近くのウォーキングクラブを紹介してくれる。
Federation of Victorian Walking Groups
322 Banyule Road, Viewbank 3083
Tel 9455 1876 Fax 9457 5438
http:/www.vicnet.net.au/-vicwalk/
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＊この記事は１９９７年からユーカリに連載されたものをリピートしています。