Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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MELBOURNE Street by Street (22)

La Trobe  Street   ―  その 2  ―    

ケン・オハラ 

Flagstaff Gardens から La Trobe Street を歩いてくると、経済上のコントラストをそこにみることができる。

造幣:The historic Royal Mint. La Trobe Street と William Street の南東の角にある。ここは35年前に閉鎖されたが、それまでの100年間、オーストラリアのコインはここで造られていた。ビクトリア州政府はこの建物の歴史的な面白い部分、溶解室、試金室、コインルームなどがあったところを取り壊して、そこに駐車場を作ってしまった。残されているのはオフィスと角の守衛所だけである。 

損失:William Street とLa Trobe Street の北東の角に、こじんまりとしたオフィスがある。オーストラリア最大のインベスターであるAMPは、15年前に$13,050,000でこのビルを購入し、8年後に$2,100,000で売却した。

成功:The Celtic Club, Melbourne's Irish club

失敗:The Kosciuszko Club, Melbourne's Polish club

Ken O'hara の苗字はアイリッシュ名である。彼は La Trobe Street と Queen Street の南東の角にある Celtic (Irish and Welsh) Clubでいっぱいやるのが好きである。

The Celtic Club はアイルランドの動乱の歴史を思い起こさせる。メルボルンの Celtic Club は115年前に、アイルランドの独立を支援するために設立された。そして45年前にこのビルディングを購入した。

さらに10年前には、Queen Street にある隣のビルを$950,000で購入し拡張した。これは良いバーゲンであった。その5年前には$5,250,000で売買された物件であった。

ケン・オハラは、ギネスを飲み終え Celtic Club を出て、ポーランドの動乱の歴史を想い起こした。

200年前、ポーランドの将軍 Kosciuszko 将軍は独立をめざしてロシアに戦いを挑み、初期の戦いには勝った。しかし後半でおしくも敗れた。

165年前、ポーランドの探検家 Strzlecki はオーストラリアで最高峰の山をみつけた。彼はこの山の姿が、ポーランドの Kracow のそばにある母国の英雄 Kosciuszko にちなんで名づけられた山に姿が似ていることから、この山を Mount Kosciusko ( z を省いた綴りにした。) と命名した。

メルボルンの Polish Club, Kosciuszko Society は、Celtic Club がそのビルディングを買ったほぼ同じ時に、313 La Trobe Street の小さなビルを購入した。

15年前のこと。Kosciuszko Society はディベロッパーと契約を取り交わした。ソサエティがディベロッパーに土地を譲渡し、その見返りとしてディベロッパーは新しいビルを建設。その中の3フロアーをメルボルンのポーリッシュ コミュニティのためにソサエティが受理し、他はディベロッパーが売却する、というものであった。

不運にもビルが完成する前に、ディベロッパーが破綻した。未完の不動産は銀行が取り上げ、ポーリッシュ ソサエティは全てを失った。

たぶん Celts (the Irish and Welsh) は幸運だったのだろう。少なくともメルボルンのこの一画においては、ポーリッシュやジャパニーズよりも運が良かったことは確かである。

313 La Trobe Street から道路を渡ると、歴史的な建物 Welsh Church がある。

15年前、350 Queen Street のディベロッパーが、この教会の大改造を手がけ費用も負担した。その代償として、Melbourne City Council は3つのビルディングを含む、より大きな開発許可を与えた。

ディベロッパーは 350 Queen Street に $25,35,000 を支払った。この開発は経済的には失敗であった。不動産の管理は、資金提供者の伊藤忠と清水建設に移り、10年前にマレイシアングループに $20,400,000で売却した。購入時の土地だけの値段よりさらに$5,000,00 低い価格であった。

第二、第三のビルはまだ建設されていない。


copyright: Ken O'Hara
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