Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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ワイン入門(30) 木村靖のワイン講座

ワインの3要素(1)  

 色合い、香り、味わい

 ワインにはスタイルやタイプによって多種多様の色合い、香り、味わいがある。健康的で良質なワインに共通することは、色合いに輝きと深さが現れ、強い香りがグラスの中に長く漂い、豊かで力強い味わいの余韻が長く続くものである。

 ワインがあり、ワインの会話がある食卓は、食事を更に美味しくしてくれる。食卓でのマナーとして、料理のほめ言葉が自然に出るように、食卓にあるワインの色が美しいとか、甘い花の香りがする、味の余韻が長い、というようなコメントを交わすことも、食卓のマナーの一つである。また、ワインの表現法は世界共通であり、その国の言葉でワインの表現が少しでもできれば、ワインの話題が多い欧米諸国の食卓に招待されたときに共通した話題が持て、食事も一層楽しいものとなる。

 ワインの香りと味わいは、テイスティングを行う環境や体調によって異なる、といわれている。専門家がワイン・テイスティングを行う場合は、色合いを正しく見るために太陽光線か白熱灯、白色のテーブルの施設があり、香りを正しく嗅ぐために、新鮮な空気のある部屋で行われる。ワイングラスは無色透明なもの、香りをグラスの中に溜めるために、大きくて口の部分が狭くなったものを使用する。テイスティングを行う理想的な時間は、睡眠をよくとり神経をよく休ませた後の、午前中が良いといわれる。

 次回は食卓でワインを見る方法をお伝えしたい。


木村靖

*筆者の木村靖さんは、オーストラリアの大学でブドウ栽培学とワイン醸造学を学ばれました。
  1993年より「ユーカリ」に「木村靖のワイン講座」を執筆していただきました。この記事は1995年に掲載したものを再掲載しています。
*この記事の無断転載・借用を禁じます。

 

 

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