Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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ワイン入門(18) 木村靖のワイン講座


オーストラリア・ワインの種類

 
 オーストラリアのワインの大きな特徴の一つに挙げられることは、広範囲に渡る数多くのワイン産地から、多種多様なワインが造られていることである。フランス、ドイツ、イタリア、スペインなどの銘醸造地のワインと同じスタイルの良質ワインが、国内でひとまとめにして楽しめることである。

 数多いワインの中からワインを選び、ワインを楽しむ基本は、ワインスタイルの違いと品種名を覚えることから始まる。親切にもオーストラリアワインのラベルには、それぞれのワインの原料となる葡萄品種名やワイン・スタイルが、分りやすく表示してある。

 オーストラリアのワインは次の3つに分類される。

(1)テーブル・ワイン(Table wine)
  一般の赤と白ワインのことをいい、食事と共にとる炭酸ガスを含んでいないスティル・ワイン。このワインは比較的良質な(a)ヴァラエタル・ワイン(ラベルに葡萄品種名の表示)と、(b) ジェネリック・ワイン(葡萄品種名の表示なし)に分けることができる。

(2)スパークリング・ワイン (Sparkling wine)
 俗にシャンペンと呼ばれ、炭酸ガスを含んでいるワイン。本格的なシャンペン製法で造られた良質ワインは、メソド・シャンプノアー (Methode Champenoise) と呼ばれる。

(3)デザート・ワイン(Dessert wine)
  食後のフルーツやデザート、コーヒー、紅茶と共にとる甘口ワイン。このワインは、されに3種類に分けられる。
(a) ボトリティス・ワイン(Botrytised wine) 
貴腐ワインといわれ、特殊なカビが付着した葡萄を原料とする甘口白ワイン。
(b) スイート・ホワイト・ワイン (Sweet white wine) 
貴腐ワイン以外の晩摘み葡萄を原料とする甘口ワイン。
(c) フォーティファイド・ワイン (Fortified wine) 
酒精強化ワインといわれ、アルコール度の高い甘口ワイン。ポート・ワイン、リキュール・マスカットなどはこの部類。

 詳しいワイン・スタイルと葡萄品種に関しての説明は、同連載の3回から11回までを参照してください。


木村靖

*筆者の木村靖さんは、オーストラリアの大学でブドウ栽培学とワイン醸造学を学ばれました。
  1993年より「ユーカリ」に「木村靖のワイン講座」を執筆していただき、この記事はそれを再掲載しています。
*この記事の無断転載・借用を禁じます。

 

 

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