Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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オーストラリアの花々 (11)

 

アゴニス
Agonis


一見枝垂れ柳を思わせるような木です。学名の Agonis はギリシャ語の角度が無いという意味からきていて、この木の枝が柔らかく、また、枝垂れすることに由来するとのことです。ウイローマートルとも呼ばれています。

フトモモ科。仲間は10~12種。庭木や公園または街路樹などとしてよくみかける木です。樹高2~3mから7~8mの中高木。柳のように見えながら柳と異なるのは、夏、枝の周りに小さい花がぎっしりとつくことです。花は直径1cmぐらいの五弁花。白または薄いピンクの硬い花です。乾燥した花で、ドライフラワーにもなります。

葉は濃いグリーン。巾1cmぐらい、長さ12~13cmぐらいで、若い葉は柔らかですが、成長するとシャキットした硬い葉になります。互生した葉の間を縫うようにして、花が無数につきます。花にも葉にも芳香があり、特に葉は裂くか手でもむとユーカリに似た良い香りがします。

葉が多いため、庭木など樹木のときはうっそうとしていますが、枝を少し整理すると優しい枝ぶりになります。花無しの枝の線を生かして下垂形にいけたり、また、垂れ下がった部分を切り落として、傾斜や直立形の花材として使うこともできます。枝は切れば切るほど新しい枝がのびてきます。常緑樹ですので、季節を問わず、和洋のアレンジメントに広く利用することができます。

 一葉式いけ花  ジャクソン増美

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